大企業のブロックチェーン技術応用の動向

最終更新: 2019年11月19日


仮想通貨ビットコインを支える技術として一躍有名になったブロックチェーン技術。様々な企業が、このブロックチェーン技術の研究を進め、新たなサービスを生み出しています。今回は、ブロックチェーン技術にまつわる大企業の動向をご紹介します。


日立、積水ハウス、KDDIが新規サービスでブロックチェーンを応用

2019年3月19日に、日立、積水ハウス、KDDIがブロックチェーン技術の応用に向けた協創を開始しました。この三社の連携は、ブロックチェーンを活用した新たなサービスを作り出し、「企業間情報連携基盤」を構築することを目的としています。

異なる業種同士が、ブロックチェーン技術の応用のために協力するということで注目を集めています。

異業種同士のデータで新たなサービス

日本政府は「超スマート社会」の実現を提唱しています。

超スマート社会というのは、

・必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供される

・社会の様々なニーズにきめ細やかに対応できる

・あらゆる人が質の高いサービスを受けられ、年齢、性別、地域、言語といった様々な違いを乗り越え、活き活きと快適に暮らすことができる

といった要素を満たした社会とされています。

※引用元サイト:内閣府

※引用URL:https://www8.cao.go.jp/cstp/tyousakai/kiban/3kai/siryo1.pdf

この超スマート社会の実現のために、「異業種間」でも情報の相互的な補完を行ったりサービスの連携をしたりする基盤が求められています。安全に情報を共有するシステムとして、ブロックチェーン技術が活躍するのです。今回の日立、積水ハウス、KDDIの協創もこうした動きによるものです。


不動産賃貸物件の各種手続きを簡略化

日立、積水ハウス、KDDIの協創について、もう少し詳しくみていきましょう。三社はまず、本人確認情報をブロックチェーンで連携し、不動産賃貸物件の各種手続きを簡略化させ、利便性の向上を図ります。

企業間情報連携基盤があることで、本人の合意があれば、積水ハウスグループの不動産賃貸に関する本人確認情報とKDDIの契約における本人確認情報を連携することができます。

これにより、賃貸物件の内覧や契約手続きにおける個人情報入力、固定通信や電気・ガス・水道などの契約手続きなどを、すべて一か所で行うことができるようになります。


3社の共同検証の今後

三社は今後、企業間情報連携基盤を商用化し、企業間情報連携プラットフォームの参加企業や団体を増やしていくことを目指して活動を行うと説明しています。参加企業・団体を増やし共同事業体を形成することで、企業・顧客の双方に有益なエコシステムが構築できます。

多くの企業が持つ独自の情報をこのシステム上で共有することで、データの掛け合わせによる新たなユーザーメリットの創出や、一括契約・手続きが可能な業種を拡大することができます。


2019年に入り、大企業の応用事例が増えてきている

大企業のブロックチェーン技術を応用する事例は、2019年に入り増加しています。

2019年2月には、NTTデータ先端技術株式会社が、日本オラクルのクラウドサービスである「Oracle Blockchain Platform Cloud Service」に対応した、「ブロックチェーンアプリ開発サービス」を提供開始すると発表しました。

Oracle Blockchain Platform Cloudは、ブロックチェーン環境構築を簡単にする機能などを備えたクラウド基盤サービスを提供します。

NTTデータ先端技術では、同基盤上でのブロックチェーンアプリ開発時に必要なSDKや、ユーザー管理やブロックチェーン処理などを簡単にできる機能を持つ「独自アクセラレーター」というソフトを開発し、それを活用してブロックチェーンアプリ開発サービスを提供するそうです。

また、伊藤忠商事は同月、ブロックチェーン技術を用いたトレーサビリティ・システムの構築に向けた実証実験を開始すると発表しました。事業投資先や取扱商品が、サプライチェーン上において資源の安定的調達・供給され、更に流通の透明性を確保することが目的です。

この時に行われた実験では、受取人・受け渡し間における「スマートフォンアプリを利用した取引内容の相互認証」も行われ、日時や位置情報などとともにブロックチェーン上に記録されました。

他にも、博報堂が取り組みを開始した番組リアルタイム視聴者にトークンを配布するというブロックチェーンの活用や、富士通が発表したブロックチェーンを応用した電力取引システムなど、大企業が様々な形でブロックチェーン技術を応用しています。


日本の大企業動向のまとめ

近年、日本ではサービスの利便性向上などを目標に、ブロックチェーン技術を活用する企業が増えています。

広告代理店や電気機器メーカー、IT企業など、業界を問わず様々な企業で実証実験や実用化がなされ、これからもその数と種類は増えていくでしょう。

ガートナー社の調査によると、従業員数500人以上の日本企業のうち、調査など初歩的な段階な企業も含めると42.6%がブロックチェーンに関係する事業を行っているということでした。

海外に比べるとまだ小規模ですが、これからはブロックチェーン技術の活用により、安全で便利なサービスが創出されていくことが期待されます。


海外米国の動向のまとめ

海外では、日本よりも早いタイミングからブロックチェーン技術を応用している企業が多数あります。そのため、送金サービス・物流システム・音楽分野・医療分野・エネルギー分野など、非常に多様な分野でブロックチェーン技術の応用事例が存在します。

ちなみにブロックチェーン技術の応用では、米国はヨーロッパに後れをとっています。これは、ブロックチェーンに関する法規制がしっかりと敷かれていないことが原因と考えています。しかし、現在では米国の各州も徐々に法整備を整え、ブロックチェーン技術の応用が加速しています。

また、仮想通貨大国であった中国は、ICOや金融商品としてのビットコインの取引を禁止しましたが、ブロックチェーン自体は推奨されています。他国のブロックチェーンのスタートアップを誘致・活性化する動きも多く見られます。今後のブロックチェーン技術の分野では、中国が大きな存在感を持つことになるかもしれませんね。

まとめ

ブロックチェーン技術には、多くの大企業が注目し研究を進めています。

しかし、日本のブロックチェーン技術応用の動きは、海外の動向と比較するとまだまだ未熟なようでうす。

しかし、金融や社会のシステムを変えるポテンシャルを持ったブロックチェーン技術の研究や応用は、これからますます加速していくことでしょう。




https://news.kddi.com/kddi/corporate/newsrelease/2019/03/19/3669.html

https://bittimes.net/news/51030.html

https://internet.watch.impress.co.jp/docs/imreboot/news/1169652.html

https://www.sbbit.jp/article/cont1/35400

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