重要視されるブロックチェーン技術|投資ファンド増加の理由と国内外の動向とは

みなさんは、「ブロックチェーン」という最新技術をご存知でしょうか。ブロックチェーン技術は、仮想通貨「ビットコイン」の取引履歴を記録する台帳として用いられ、一躍脚光を浴びました。
そのため、どういった技術なのか詳細は分からないけど、見聞きしたことはあるという方も多いのではないでしょうか。
フィンテックの一環として大いに注目を集めるブロックチェーン技術は、投資先としても重要視されています。
現に、ブロックチェーン技術への投資を行うと大々的に宣言するファンドや、ブロックチェーン技術への投資のために新たに結成されたファンドも存在します。
今回は、ブロックチェーン技術が投資先として注目される理由や、ブロックチェーン技術を取り巻く国内外の動きなどを詳しく解説していきたいと思います。
ブロックチェーン技術への投資が増えている理由
何故、ブロックチェーン技術への投資が人気なのでしょうか。
その理由を探りましょう。
ブロックチェーン技術とは?
そもそも、ブロックチェーン技術とは一体なんなのでしょうか。
まずはそこから解説していきます。
ブロックチェーン技術というのは、簡単に言うと、誰でも使えるのに、誰も書き換えることができない最新の台帳のことです。
ブロックチェーンの最大の特徴は、「トランザクション(取引のデータ)をまとめたブロックが連続して成立している」ということです。
この構造によって、誰でもアクセス可能でありながら、理論上は改竄(かいざん)不可能という高度なセキュリティ性能を実現しています。
ブロックチェーン技術に投資するメリット
ブロックチェーン技術は、多くのメリットのある技術でそれ故に投資先としても有力視されています。
具体的には、
・データの分散により中央管理者が必要ない
・高度なセキュリティの実現
・誰でもアクセス可能
といったメリットがあり、そのため「フィンテック」の代表格として注目されています。
ブロックチェーン技術に投資する人々は、社会に対して大きな影響を与える可能性もある革新的な技術に今のうちに投資しておくことで、将来的に大きなリターンとなるのではないかと考えています。
また、社会全体を変える力を持つブロックチェーン技術の進歩を促進させることで、自分たちの運営する他の事業に好影響を与えたいという意図もあるようです。
フィンテック技術の「優れた企業への投資は、経済の発展に不可欠だ」という考えは、もはや投資家たちの共通認識といえるのかもしれません。
ブロックチェーン専門新設ファンドの増加

現在では、ブロックチェーン技術への投資を専門的に行うファンドを新しく設立する動きも拡大しています。
ファンド新設の動きには次のようものがあります。
例えば、リクルートHDは、「RSPブロックチェーン・テック・ファンド」を新しく設立し、ブロックチェーン技術関連のスタートアップ企業への投資を本格化させました。
また、ベンチャーキャピタルの大手であるグローバル・ブレインも、「SFV・GB投資事業有限責任組合」というファンドを設立しました。
他にも、仮想通貨交換所を運営している「bitFlyer」も、ブロックチェーン事業の創出・育成を目指し「ブロックチェーン・エンジェルファンド」を新設しています。
このように新設ファンドが増えている理由を、新設ファンドならではの強みや需要の面から考えていきましょう。
新設ファンドの強み
ブロックチェーンは、革新的な最新の技術です。そのため、現行の投資ファンドではブロックチェーン技術やフィンテック企業に関するノウハウが不足している場合があります。
ブロックチェーン技術への投資を専門に扱う新設ファンドは、最新技術への理解度の差が強みと言われています。
また、元々ブロックチェーン事業を行っている母体が新設したファンドの場合、スタートアップ企業を技術面でも支援が可能です。
新設ファンドなら、専門的な知識やノウハウに欠ける現行のファンドでは投資できていなかった事業にも積極的に資金を投じ、ブロックチェーン事業全体の発展にも貢献してくれるのではないかと期待されています。
新設ファンドの需要
ブロックチェーン技術は大きな可能性を秘めた最新の技術ですが、まだまだ課題も残り研究を進める必要がある分野です。
研究を進め、ブロックチェーン技術をより有用なものにするには、フィンテックの世界全体で資金が不足しています。
今後の社会や経済を作り変えていくためにも、新たに資金を投入してくれる新設ファンドは必要とされているのです。
ブロックチェーン技術に対する国内外の動き
ブロックチェーン技術は、金融業界を中心に大きな期待を寄せられています。
ここでは、国内外の動向をみていきましょう。
国を挙げて積極的に取り組む海外政府
世界各国が、国を挙げてブロックチェーン技術の研究に取り組んでいます。
なかでも、イギリスやカナダ、中国など多くの国の中央銀行では、ブロックチェーン技術を用いて暗号通貨を発行すべく盛んに研究が行われています。
中央銀行だけでなく、メガバンクも開発に取り組み、各国の政府はそうした活動をサポートしています。
また、ブロックチェーン技術を大々的に活用するためには、法規上の課題の解決することも必要となってきます。
米国アリゾナ州はブロックチェーン技術の法整備に積極的で、ビットコインでの納税をいち早く認めたり、スマートコントラクトを合法化したりといった施策を取っています。
アリゾナ州以外にも、ドバイ首長国やグルジア共和国などで、利用推進に向けた法整備の動きがみられます。
関連企業のサポートに力を入れる日本
日本国内でも、ブロックチェーン技術の開発はより一層盛んになってきています。
その代表例は、ブロックチェーン推進協会(BCCC)という業界団体や、Chance FinTech Labという地銀の連携体制があります。
また、メガバンクや証券会社も研究を進めています。
政府もブロックチェーン技術の重要性を認識し、世界の潮流に遅れないことが大事だという考えを明らかにしました。
フィンテックによるキャッシュレスへの拍車
ブロックチェーン技術をはじめとしたフィンテック技術は、今後より一層社会に普及していきます。
実際に、世界中で現金を用いない決済システムの利用が進み、現金のやり取りをしない「キャッシュレス」な社会へと進んでいます。
日本では依然、現金への信用度が高い状況が続いています。
しかしフィンテックの発展によって、現金に依存しない様々なシステムやサービスの開発が一層活発になり、社会全体のキャッシュレス化に拍車がかかることでしょう。
まとめ

ブロックチェーンと呼ばれる最新の台帳を実現する技術は、ビットコインなどの仮想通貨の流行とともに注目を集めました。
社会を変える技術として期待されているブロックチェーン技術は、その将来性から投資先としても人気で、ブロックチェーン技術に投資するファンドも増加しています。
ブロックチェーン技術などのフィンテックへの投資は、国内外を問わず拡大しており、近い将来、私たちの住む社会はキャッシュレス化など劇的な変化を遂げることでしょう。